「おかえり」
この言葉が熱をもったのは、東京へ出て、一人暮らしを始めてからだった。幼い頃から当たり前に返って来ていた、その言葉が当たり前ではないことを知った時、僕は改めて帰る場所があることを実感し、家族の温もりを無限大に感じることができた。
ということで、今日は先日実家に帰ったときの家族愛をテーマにしたハートフルな話をしようと思います。これを読んで皆さんがもう一度家族の大切さを感じていただければ幸いです。
それではどうぞ↓
ただいま
前回、沖縄に遊びに行った僕はそのまま実家福岡へと帰省した。駅から迎えにきた義理の弟ちゅんたは、僕を見るなり走って飛びついてくる。久しぶりの再会に胸が躍る。
実は最後に会った時、ちゅんたと妹はまだ婚約していなかったので、正式に弟として会ったのはこの日になる。今日はそんな記念すべき日だ。ちゅんた写真を撮ろう。
可愛いいやつだ。お前みたいに愛嬌があって、思いやりがあって、家族を愛してくれるやつが俺の可愛い妹の旦那でつくづくよかったと本当に思っているよ。
正直いうとさ、妹を奪われたって気持ちもあることはあるんだ。
けどさ、妹のあんな幸せな顔見てると
やっぱお前が俺の弟になってくれて
つくづくよかったなと
本気でそう思っている。
これからお前は、俺の最愛の妹の旦那であり
俺の最高の弟だ。
お兄ちゃんな。
心からお前たちの幸せを
祈ってるからな。
ただいま、ちゅんた。
次。
母さん
母さん、今日は仕事遅かったんだね。
ううん。僕もさっき帰ってきたところだよ。そうだ母さん。今日は僕の親友のゆうた君の誕生日なんだ!だからさ、写真を撮ろう。
母さん、こんな写真の最中にいうことじゃないけど。今まで育ててくれてありがとな。母さんが母さんで俺、ホントによかった。
昔から母さんはいつも頑張り屋さんだったよな。
ずーっと俺たちのために身を粉にして働いて
もう体もボロボロだよな。
だからさ、これからは少しくらい
自分のことを大事にしてくれよ。
母さんに何かあったら俺、
マジで泣いちゃうから。
母さん
ただいま
次。
じいちゃん
じいちゃん。今日はこんな時間まで起きてたんだね。
何?
お前を待ってたわけじゃない?
じいちゃんは本当に素直じゃないなあ。まあそういうとこもすこなんでけど。そうだ!じいちゃん!今からじいちゃんボコボコにしたいから写真を撮ろうよ。
もうなんでカメラの方、向いてくんないのさ~。
カメラはあっちだよじいちゃん。
じいちゃん、これからも長生きしてくれよな。
俺、大きくなったらじいちゃんみたいに強い人間になりてえんだ。
じいちゃん
ただいま。
残すは、あいつだな。
青木家最強の空手有段者。弟。名を範馬そうま。
全国大会に出場した経験を持つ彼を倒すのは簡単ではない。恐らく真っ向から勝負してもじいちゃんの時の二の舞である。
だが、勝ちたい。頭もよくて、空手も強くて、可愛い彼女までいるあいつを俺はこの手でボコボコにしたいんだ。兄としての威厳をなんとしても、取り戻したいんだ。
いこうか。
あいつは今グッスリと部屋で寝ているはずだ。なぜなら今は朝の5時。
寝起きを襲うなんて卑怯?
バカ野郎。これは試合じゃねえ、死合だ。どんな手を使ってもいい。カッコ悪くたっていい。俺はな、勝ちてえんだよ。勝って一度でいいから、お兄ちゃんって言ってもらいてえんだよ。
ここか。
みんな静かに。ここからは物音一つが生死を分けるデッドゾーンだ。どんなに強くても寝ている間ってのは赤子と何ら変わりない。スナイパーってのはよ、そんな赤子を痛みなきまま静かにあの世に送ってやるのが仕事なんだぜ。
ほらよ。これが我が家の可愛い赤子の寝顔…
起きてる~~~
んで、むっちゃ荒野行動してる~
けど夢中過ぎて、気づいてなくね?
もしくは、気使ってくれてんのかな?
なんにしても、それがお前の油断ってやつだぜ。文句はあの世で言うんだな。
くたばれブリキ野郎ーーーー‼
ただいまーーーーーーーー
えっ。
まさかの無。
お~い、お兄ちゃんだよ~。
帰ってきたよ~。そうくーん。お~い。
いかがでしたか?
やっぱり家族って最高ですね。お互いのいいところも、もちろんダメなところも全部知っていて、例え嫌いになったとしても切っても切れないのが家族なんです。
今、あなたは当たり前に家族がいて、当たり前に「おかえり」が返ってきているかもしれません。でもそれってすごいありがたいことなんですよ。だから皆さんもちゃんと「おかえり」って言いましょうね。家族を大事にしましょうね。
PS.母にもぶち込みました。
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